北野武『監督・ばんざい!』、観られてばんざい!

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銀座テアトルシネマには行ったことがない。
でも行きゃ何とかなると車を飛ばしたが、あわわ、駐車場が見つからない。(汗)
ぐーるぐるぐーるぐる同じ所を何度も回って目も回ってきた頃、路地裏にPの文字が。
良かった~、何とか時間に間に合った。

北野武監督『監督・ばんざい!』

まずはカンヌで公開された3分の短編『素晴らしき休日』だ。
これ、良い。
クスリと笑わせながら、可笑しさと哀愁と愛しさが素敵にそして静かに同居していた。

ここで周りを見渡してみると、平日の午前ということもあってお客さんは4割程度の入り。
しかも年齢層が高い、、、というか様々だ。
60歳くらいの男性、50歳くらいの女性二人組み、仕事中の?サラリーマン、そして20代の若者達。
へぇ~、北野監督のファンは幅広いな。
でも確かに監督の映画って、大人になって初めて良さを味わえる部分も多いものね。
「ひょうきん族」よりも「たけしのオールナイトニッポン」で育った私は丁度真ん中世代って感じだ。
北野作品では『菊次郎の夏』『キッズ・リターン』『HANA-BI』が宝物の私は、コアな武ファンからすれば笑われる?
でも北野武の感性は本当に大好きなんだ。
さて私よりも見事にお年を召した人達は、前評判が「くだらね~」のこの映画を果たして笑えるのだろうか??
そんなことを考えていると、いよいよ本編が始まった。

わははは、いきなりタケシ人形が~!?
この人形、話が進むうちに妙な存在感が出てくる。
凄く重要なポジションになってくるから不思議。

まずは序章の、封印することになるギャング映画。
寺島進が久松組へ乗り込んで、相手とただ静かに向かい合うシーン。
ここでの沈黙の描き方でもうKOだ。
組の一人が爪を切っている。パチン、、、パチン、、、。
その音が、単なる沈黙を怖すぎるほど深い沈黙へと昇華させる。
こういうセンスが大好きなんだ。

続いて小津風映画へと進んで行くと、どんどん可笑しくなってくる。

映画全体を通して何か考えたくなる部分もいっぱいあるのだが、基本的にはお笑い映画。
「考えないで笑ってくれ」と監督も言っているし。
だから私も素直に楽しんで大笑いしていた。
そして実は「笑えるのだろうか?」と思っていた高齢のお客さん達がメチャメチャ受けていた。

特に昭和30年代の話「コールタールの力道山」は最高だ。
これだけで一本撮らないなんて何てもったいないのだろう。
駄菓子屋の婆さん、「これ落ちてたから拾った」と車に抱きつく爺さん、小汚いけど逞しく愛しい子供たち・・・。
一つ一つのエピソードが可笑しくて哀しくて、、、くだらなくて。
続きを観せてくれ!

出演者では江守徹が最高。
この大御所をこんな役柄にしちゃっていいのか?
良いのだ。
北野監督しか出来ないよなぁ、、、いやぁ、面白すぎる。

後半はまさに「くだらね~!」のギャグ連打で、こっちの頭も破壊された。

う~ん、「くだらね~」が褒め言葉なのかも知れないが、敢えて言う。やっぱり北野武って凄いよ。
観終わって「あはは、面白かった」だけじゃない。
何だか映画5~6本分の満足感がある。
きっとそれぞれの完成度がみんな高いんだ。

久しぶりに凄い“映画”を楽しんだ、私の素晴らしき休日。

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