国勢調査 その2 「悲しみの国勢調査員」

その2

9月×日

さて今度は調査票の配布。
予想はしていたが、一回目は受け持ちの半分も渡せなかった。
休日の昼間のせいか、とにかく不在が多い。
かといって平日では皆さん仕事でいない。
遅すぎる時間は「非常識だ!」と怒られるし、だいいち路地なんて真っ暗で地図も見えない。困ったもんだ。

地元ではあるけれど、商店や知り合いの家以外は普段全く用が無いわけで、今まで他人の家など気にもとめていなかったことが改めて分かった。
こんなところにアパートがあったのかぁ!?とか、ホントにこの傾いた家に人が住んでいるのだろうか!?とか、、、まるで知らない町に紛れ込んだように、ビクビクもので回って来たのだった。
あるアパートなんて階段は蜘蛛の巣だらけ。廊下の電気も壊れたまま。
でもいくつかの玄関前には何故か大量の傘が立てかけてある。
イヤン、何だかこわい。。。(涙)

個人情報の問題があるので詳しくは書かないが、人によって対応もかなり違った。
これも予想はしていたが、、、思いっきりイヤな思いも何度かした。

「お忙しいところスイマセン。国勢調査の調査票をお持ちしました」
「あぁ?・・・いい。」
「えっ!?いや、あ、あの、一応全世帯にお願いしているのですが・・・」
「今誰もいない」

・・・って、あんたは幽霊か~!?(涙)
と言いたいところだが、実際は「失礼しました。ではまた後日伺います。○日はどなたかご在宅でしょうか?」となる。

これは個人的には気が進まなかいコトなのだが、一応世帯主の名前を聞くことになっている。

「・・・・・・・言いたくないです!」
「あ、では○○号室ということで・・・」
「そうしてください。それと回収は郵便受けに入れて置きますから勝手に持って行って!」
これは某マンションでの、30歳くらいの主婦さんとのやりとり。
そんなに怪しいかい、ワシ。。。(汗)

手渡ししながら説明したいのに、絶対にドアを開けてくれない人もいた。
回収も、「玄関の外に出しておくからピンポン鳴らすな」ということだ。

まぁ、それでも居てくれただけいい。
何度訪ねても不在の家が何軒もあった。
部屋に明かりも点いていて、どう見ても人の気配があるのに応答ナシの家だってあるのだ。
一言で言えば、、、居留守ね。(苦笑)

でもね、ホッと暖かい気持ちになれることもあった。
2回訪問して不在だったので、連絡メモにこちらの携帯番号と名前を書いて置いてきた家があった。
夜に電話が入って、今なら在宅中という。
いや~、連絡くれただけでも有難い。ほとんどはメモを入れても梨の礫だから。
「では夜分すいませんが、今からすぐ伺っても宜しいですか?」
ってことで自転車に乗って~♪急いで訪問すると、60過ぎのお爺さん、何と缶コーヒーを片手に待っていてくれたのだ!
「大変だねぇ、頑張ってね。はい、コーヒー、ご苦労さま」
もう~、世間の冷たさに打ちのめされてばかりの後なので、思わず涙が出そうになったぞ。
男にもて遊ばれて捨てられたオネエちゃんが、見知らぬ男にちょこっと優しい言葉かけられたら体を開いちゃう・・・みたいな?(苦笑)
冗談でなく、お爺さんカッコイイぞ!

自分を振り返ってみたら、、、今までどうだっただろう?
やっぱり心にゆとりを持たないと素敵に歳はとれないんだ・・・と思う今日この頃。

つづく

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